ISO9001の審査では、この規格に適合しているかどうかを確認、評価します。(1)組織が顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品を一貫して提供する能力を実証する場合、(2)品質マネジメントシステムの継続的改善のプロセスを含むシステムの効果的な適用、並びに顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項への適合の保証を通して、顧客満足の向上を目指す場合の、品質マネジメントシステムの要求事項を記述しています。
ISO9001の要求事項は、汎用性があり、業種及び形態、規模、並びに提供する製品を問わず、あらゆる組織に適用できることを意図して作成されています。
ISO9001は、下記のような項目で構成されています。
・品質マネジメントシステム(一般、文書化、記録)
・経営者の責任(経営者のコミットメント、顧客重視、品質方針、責任・権限)
・資源の運用管理(要員の力量、教育・訓練、インフラストラクチャー)、
・製品実現(計画、設計・開発、製造・サービス提供、保存、トレーサビリティ)
・測定、分析及び改善(顧客満足、内部監査、製品・プロセスの監視・測定、継続的改善、是正処置、予防処置)
ISO9001が想定している“製品を一貫して提供する能力を実証する”や、“顧客満足の向上を目指す"についてもう少し考えて見ましょう。
通常、ひとがものを買ったりする場合、自分たちのニーズや期待を満たす製品やサービスを求めます。それは、提供する企業・組織の側からすれば、“顧客からの要求事項”に該当します。顧客からの要求事項は、顧客が明示する場合もあれば、組織が自分たちで判断して定義するものもあります。しかし、最終的な製品購入の決定権は、常に顧客にあります。
一方、顧客のニーズ及び期待はさまざまな要因によって絶えず変化しています。また、競争と技術の進歩があるので、それに合わせて、組織は、製品及びプロセスを継続的に改善し、引き続き顧客に買ってもらえるような製品、顧客にご満足いただけるような製品を開発していかなくてはなりません。
品質マネジメントシステムのアプローチでは、組織が、顧客要求事項を分析し、顧客に受け入れられる製品を作りだすのに大きく影響するプロセスを明らかにし、これらのプロセスを管理し続けることを奨励しています。品質マネジメントシステムは、顧客等の満足を向上させるための、継続的改善の枠組みを提供します。このことによって、組織が要求事項を満たす製品を一貫して供給することができるという信頼感を、組織及びその顧客に与えることができるのです。 |